No.9&No.10
9番や10番と言えば何を思い浮かべるだろうか。
野球に造詣の深い方なら、9番はライト、10番は控えの投手といったところだろうか。
ラグビーなら9番はスクラムハーフ、10番はスタンドオフというポジションが与えられている。
さて、サッカーに話題を移すと9番はセンターフォワード(以下CF)、10番はエースストライカーというのが一般的な意味だろう。
ことバルサにおいてはこの背番号の意味が強く反映される。
9番は(ブラジルの)ロナウド、エトー、イブラヒモビッチ、スアレスという典型的な点取り屋が付けてきた。
10番はリバウド、ロナウジーニョ、メッシというファンタジスタや天才、エースというべき選手が名を連ねる。
近年のバルサはMSN時代も含めて、スアレス&メッシの9・10番コンビで得点を量産してきた。
そして年間で2人合わせて下位チームの総得点数以上をたたき出すのだから、弱いわけがない。むしろ2014/15以外にCLを獲れてないのが失敗にすら思える。
しかし2019/20シーズンのバルサは波乱の出だしとなった…
まずはプレシーズン中にメッシが怪我をして今シーズンはまだ1試合も出ていない。
しかもラ・リーガ開幕節でスアレスは故障し、チームはビルバオに敗れるという踏んだり蹴ったりのスタート。
カンプノウでのベティス戦はグリーズマンの活躍で勝ったものの、オサスナ戦は決定力に泣き引き分けと、バルベルデ政権での最悪のスタート、近年でも稀にみる不調で幕を開けた。
そんなバルセロナだが、いくつかの復調の兆しがある。
まずはなんといっても絶対的エース・史上最高のサッカー選手・銀河系1のプレイヤーことメッシが復帰間近であるということ。
彼無しではここ10年のバルサは存在し得なく、またバルベルデの攻撃戦術もほぼ成り立たない。バレンシア戦には間に合わないそうだが、あと1,2週間もすれば彼のピッチ上での躍動する姿が見られるだろう。
やはり彼がまだまだ今のバルサには必要なのだ。
そしてカンテラーノ勢の頑張りである。
メッシがいなかったことで、不幸中の幸いになったわけだが、カルレス・ペレスやリキ・プッチ、アンス・ファティといった若き至宝たちにプレシーズンマッチからチャンスが与えられてきた。
カルレス・ペレスはここまで1ゴール・2アシスト、アンス・ファティは16歳ながらもオサスナ戦で初ゴールを挙げた。16歳でのゴールはメッシよりも1年以上も早い公式戦でのゴールとなった。
ペップの時代からカンテラーノが重視されてきたが、堅物のバルベルデは若手の登用は基本的にしなく、カンテラからトップチームに定着したのも、セルジ・ロベルトが最後という悲しき現状がある。昨年トップに帯同したアレニャも今年は初戦以外はベンチ外と苦しい状況に置かれている。
この2人の活躍はこの流れを変えてくれるかもしれない。
最後はネイマールの獲得が破談に終わったことだ。
これだけ聞くと、バルサにとって悪いニュースのように聞こえるが自分はそうは思わない。
ネイマール狂騒曲とも一部メディアで言われていたように、この1,2か月は選手もファンもフロントやネイマールに振り回されてきた。
したがってネイマールの移籍がなくなったことで少しは選手や監督にも落ち着きが出るだろうし、前述したカンテラーノたちの台頭にはむしろいいニュースだ。
代表ウィークも終わり、もうすぐリーグ戦も再開される。
再開初戦は伏兵・バレンシアとの対決。
これだけの条件がそろった今、もはやバルサに負けは許されない。