ドラフト

ドラフトとは不思議なものである。アメリカのメジャーリーグはドラフトを完全ウェーバー制で行う一方、日本のNPB1巡目を入札抽選制で行うため毎年多かれ少なかれドラマがある。

あるものは「空白の1日」に振り回され、あるものは大学進学予定から一転巨人入りを果たし、あるものは交渉権を獲得したと早とちりした球団に「待ってるよ」と言われた。

このような様々なドラマを作り出したドラフト会議だが、2018年10月に行われたドラフトでは西武以外の11球団が高校生野手への指名に踏み切り、「ロッテ・藤原」「中日・根尾」「広島・小園」が誕生することとなった。

面白いのはここからで、「東洋3羽烏」のうちすでに甲斐野と上茶谷は1巡目指名され、残る梅津をどこがとるかというのが注目となった。

自分はこのドラフトを見て、「ウェーバー制なので楽天阪神・ロッテのどこかが梅津をとるだろう」と思っていたらなんとなんと梅津が2巡目に残っているではないか!

かくして全国の中日ファン待望の根尾くんだけではなく、潜在能力はピカ1と言われた梅津までとることに成功したのであった。

そのドラフトから約10か月後、梅津は阪神戦で初登板初先発初勝利をつかみ、阪神へ逃した魚の大きさを痛感させた。

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そして今日、巨人相手にも梅津は6回94球3失点のQSの力投を見せ、初登板からの2連勝という中日では近藤真一さん以来の記録を成し遂げた。(近藤さん自身は3連勝している)

こうやって何かの縁でドラフト2位で入団した選手がドラフト1位を差し置いて活躍していることがよくあるのだからプロ野球というのは面白い。

巷では2014年ドラフトは大失敗と言われるが、井領・加藤始め、今年頑張っている選手もいる。何より今から彼らが活躍すれば一瞬で成功ドラフトとなりうるし、去年・一昨年と絶賛されたドラフトも根尾や鈴木博志がポシャってしまえば大失敗と言われるかもしれない。それはドラフト当日にはわからないことである。

1つ言えるのは、FA選手や大物外国人の入団が少ない貧乏な中日においてはドラフトで取った選手が活躍しない限り2012年以来のAクラス復帰など夢のまた夢であるということである。