貫禄

今日の中日vs巨人戦は先発が小笠原と菅野というメディアにとって格好のネタとなる、東海大相模の先輩後輩対決だった。

プロ野球を見ている人ならご存知の通り、もちろん実績は菅野の方が断然上。しかし以外にも直接対決では1度小笠原が完封勝ちしており、今日も楽しみな対戦になると思っていた、試合開始して30分経つまでは…

小笠原は初回、2死をあっさりとるも丸・岡本に連打を浴び、あっさり先制点を献上

一方で菅野はその裏、1死から京田を出し、少しバタつくも5番周平を初球で打ち取り0点で終える。

試合開始時点で12勝しかしてない投手と85勝してる投手との差をまざまざと見せられ、中日ファンに軽く先制パンチを浴びせた。

次第に小笠原もよくなるも再び2死から連打で失点し、スコアは2-0に。しかし取られた直後に中日打線の維持で奇跡的に1点を返しこの時点で流れは五分五分。そして分水嶺となる5回裏がやってくる。

5回裏、あっさり9番,1番が倒れるも京田が何とか出塁すると菅野の様子が変わる。福田に対して球界のエースにふさわしくないと言われてもしょうがないくらい怯えるかの如く四球を出して2死1,2塁で4番ビシエドへ。

ここでも菅野はあまりいいボールがなくカウント2-1といわゆるバッティングカウントへ。ボール球は投げれない、2球目を見る限りストレートはタイミングがあっている、得意のスライダーやカッターはこの回上手くコントロールできてないという絶体絶命の状況。しかしここで菅野が日本のエースと言われるにふさわしい完璧なフォークで空振りを奪う。この時点で勝負あり。次の球はスライダーが引っかかってカウント3-2にしたものの、最後には外にきっちりカッターを投げ込みショートフライで無失点。エース菅野ここにあり、という貫禄のピッチングをされては昨年度の首位打者もお手上げだ。

そして6回表、カーブを多投しすぎだツケが小笠原に回ってくる。

1死後、阿部を追い込んでから木下は調子に乗ってカーブを要求。小笠原は低めに投げるも描かれたのは三振する阿部の姿ではなく、一直線にライトスタンドに飛び込む綺麗なアーチ。しかも続くゲレーロには初球の甘いチェンジアップを打たれジエンド。

甲子園の優勝投手となった小笠原の貫禄はもうそこにはなくベンチで呆然としている左腕の姿が映るだけだった。中日ファンの気持ちも小笠原の心も完璧にへし折った2者連続ホームラン。どうしようもない虚無感がナゴヤドームに流れていた。

真っ二つにへし折られた中日ファンの心はその後の石垣のプロ初安打で多少修復されたものの、小笠原は次回の登板で立ち直ってくれるだろうか。

明日の先発はルーキーの梅津。ファンの鬱憤を晴らし、巨人へ一矢報いてもらいたいと願うばかりである。