甲子縁

つい先日、暑い中でもさらに日本中を熱くする101回目の夏の甲子園大会が終わった。

結果としては大阪の履正社高校が星稜・奥川を打ち下しての優勝となり、悲願の初優勝を成し遂げた。

そして甲子園が終わるや否や10月に開催されるドラフトの話も野球ファンの間では酒の肴になる季節であり、すでに今シーズンが終戦に近い球団のファンほどドラフトが楽しみでしょうがないのだ。そういえば最近の中日ファンツイッター界隈では奥川か佐々木か森下かという話から、野手はどのようなタイプを取るべきかという激論が交わされているような気もするが気のせいだろう。

さて、本題に入りましょう。

昨日の中日の先発投手はその甲子園で2015年夏に東海大相模高校で優勝を成し遂げた小笠原。今シーズンは肩の痛み等が序盤はあり、これが3試合目の先発登板。もちろん今シーズンは未勝利であった。

wdg30.hatenablog.com

その小笠原は初回に先頭の木浪に内角直球をレフト前に運ばれるも自らの「熱盛」プレーもあって無失点で切り抜ける。

打線は青柳の前にランナーは出すも、あと一本が出ずに先制できないというお決まりの状況。

小笠原が自ら先頭バッターとして2塁打を打つも「そんなの関係ねえ」という何年か前のお寒いギャグを引っ張り出すかのような凡打の山。夏男ビシエドも今日は天気が雨ということでお休みしてしまうというザ・点が入らないチームの攻撃…orz

いつもの中日投手陣なら大体先に根負けしてあっさり先制を許すものだが、この甲子園で17歳にして優勝を勝ち取る小笠原の強さは半端じゃない。大したピンチすらなく5回を無失点で終える。

しかし6回に入りまさかの展開でゲームが動く。

中日は1死から6番阿部が追い込まれながらも甘いスライダーをレフトスタンドに運び先制ソロホームランを放つ。いつも中日がやられるような形で先制に成功する。

一旦動くと止まらないのがゲームというもので、その裏に阪神もすかさず近本のヒットで1死1塁として3番福留。しかもカウント3-0と割と崖っぷちに立たされる。

それでも甲子園での小笠原はめげない。4球連続ストレートという加藤の強気のリードに呼応しカウント3-2までもっていくと、最後はボールになるチェンジアップを振らせて三振を奪う。さらに女房役加藤のバズーカが炸裂し三振ゲッツー。最高の形で切り抜けた。

以降は珍しく藤嶋・ロドリゲスがピンチを作ったり、守備固めのはずの遠藤が落球したりと、ひやひやしながらもどこかいつもより安心できる完封リレー。

小笠原はめでたく今シーズン初勝利をゲットした。

試合後のインタビューで小笠原は「第2のホームですね」なんて聞かれて「まあビジターですから」とアナウンサー泣かせの回答をしていたが、やはりここでしっかり勝てるだけ「縁」はある。

思えばドラフトで1巡目に高橋純平を外して獲得した所謂「外れ1位」の小笠原。そしてその年の5位で入団した阿部のホームラン1本で逃げ切れたというのも何かの「縁」なのかもしれない。

今年10月のドラフトではどのような「縁」が生まれて誰が中日に新たに入団するのかと今から楽しみでしょうがない。

wdg30.hatenablog.com

しかしその前にシーズン残り25試合をしっかり戦い抜いてほしいし、25試合の中に1試合たりとも選手・ファンともに気が抜けていい試合はないのだ。