流れ
流れとは恐ろしいものである。
夏の甲子園では何点リードしてようが1つのプレー、1つのミスで流れが変わり大逆転につながることなんて日常茶飯事だし、テニスやサッカーでもワンプレーで流れがガラッと変わりあっさり試合が決まってしまうことも少なくない。
この「流れ」という化け物は味方につけておくと安心だし、味方につけるようなプレーが出れば勝てる確率というのは各段に上がる。
今日のついさっき終わった試合では中日は「流れ」を手放すプレーが続いてしまった。
まず2回表の1死2塁から中村にタイムリーを浴び先発柳が先制を許した直後の場面。
中村の打撃の好調さと柳の立ち上がりの悪さを考えれば1点はある程度しょうがなく、8,9番で2点目をとらせないことがキーポイントだった。
しかし8番奥村に対して2球で追い込んでから6球目を打たれタイムリーツーベースを浴びてしまう。後続を何とか打ち取ったものの流れはヤクルトへ傾いてしまった。
3回裏の中日は柳が自分でチーム初ヒットを放ち、大島がつなぐも京田があっさり倒れ0点に終わり、流れは完全にヤクルトへ。
しかし柳が3回以降立ち直り、徐々に中日への流れを持ってくる。
すると6回ついに反撃が始まる。
ここまで絶不調の京田が追い込まれながらもなんとか四球で出塁すると潮目が変わる。
続く福田が初球をたたき無死1,2塁とすると、ビシエドが夏男の本領発揮のタイムリーツーベースを放つ。
このツーベースで福田まで好走塁で生還し一気に同点としたところで流れは中日のものに。今までよく「あと一歩で同点」という場面でとどまっていたことを考えれば、福田の走塁はとても価値があるものだった。
続く周平は何とか進塁打を放ち、1死3塁で最近調子のいいマスターこと阿部が打席に入る。
しかしここで阿部がショートゴロ…
さらにはベンチからの指示なのかどうかは定かではないが完全アウトのタイミングでビシエドが本塁突入し、本塁憤死で2死1塁に。すべてのナゴヤドームの歓声がため息に変わった瞬間でもあった。
次が前の打席でいい打球を放っていた武田ということを考えれば非常にもったいない走塁であった。
そして案の定逆転まではいかずに2-2の同点のまま9回へ。
9回表を岡田が完璧に抑えると流れは一気に再び中日に来る。
2死から代打直倫にビビりまくったヤクルトバッテリーが勝負を避けて四球を出すとバッターは最近当たっている大島へ。
しかもカウントは2-1で4球目もボールゾーンへ。
「よし!カウント3-1で大島なら一気にチャンス拡大か?!今日こそはサヨナラ勝ちできる!!!」と思ったのも0.4秒くらいだっただろうか。
なぜか1塁ランナーの亀澤がスタートを切っており、しかも余裕のタイミングでアウト…
リクエストし、スローで見ればセーフに見えたが判定変わらずアウトで3アウトチェンジ。
「リクエストが悪い」とか「流石津川だわ」とか言う人も多いが、そもそもあの場面で90%セーフにならなきゃ盗塁なんて仕掛ける意味ないのに中途半端なスタートを切った亀澤が100%悪い。
サヨナラ勝ちの夢は一瞬にして潰えてしまい、同時に流れも何もかもがヤクルトへ。
ヤクルトは2死から太田が出ると、流れを自ら手放した中日を嘲笑うかのような青木の内野安打。
そしてちゃんと山田哲人が左中間にスリーランを叩き込みゲームセット。
試合後は防御率0.00だった藤嶋が打たれたショックと、連勝が止まったショック、勝てそうな試合を落としたショック、津川への怒りが合わさってツイッターは荒れに荒れたがまあ無理もない。
こんな自ら流れを相手に譲るお人好しチームではいつまでたっても勝てないが、それを気付かせるきっかけにこの試合がなれば、もはや今シーズンはそれでもいいのではないかと思い始めてきた。
だが1ファンとしてまだまだ諦めたくはない。明日からすぐにでもこの嫌な流れを大野雄大と野手陣が振り払ってくれることを祈りたい。