希望と絶望 第3章
最下位のヤクルト相手に初戦を取りながらも、柳・大野のダブルエースでまさかまさかの連敗で終えた夏休み最後のナゴヤドームでの3連戦。
「ブルーサマーシリーズ」と銘打って発売されていたわけだが、青くなったのはファンでいっぱいのナゴヤドームではなく中日ファンの顔と亀澤・遠藤の2人の代走になるとは思ってもいなかっただろう。
一昨日は9回に亀澤がスタートを切り、サヨナラのチャンスの芽をちぎり取った。
そして昨日は同じく9回に遠藤がスタートを切り、代打・直倫に沸いたファンの心を一瞬にして凍り付かせた。
前日に亀澤が刺されてもなお盗塁を試みた遠藤の積極性は評価するべきかもしれない。
もちろん最後の最後に代打で出てきた直倫の劇的サヨナラホームランを夢に描いていたファンとしては、昨日の今日で信じられないという思いであり、遠藤への怒りが爆発するのもある程度致し方ないだろう。
ただし、最終的に亀澤や遠藤がやらかしてしまったが、この連敗の根本的なところは打てるときに打てずチャンスに笑っちゃうくらい弱い打線にあるとしか言えないだろう。
2戦ともに先発が早い回に失点しながらも試合を作り、結果QSでまとめたとなれば投手陣に文句を言うことはできない。
特に今年は中盤や終盤での逆転勝ちは片手で数えられるくらいしかなく、残塁の山だけが残った試合を何度見せられてきたことだろうか。
こんな絶望にまみれた3連戦の中に希望の光はないといっても過言ではない。(強いて言うなら京田に30打席ぶりにヒットが出たことだろうか)
しかし、野球はプロ野球だけではない。
そう、プロ野球の外にこそ中日の希望があるのだ。
「竜の希望」、それはずばり石川昂弥だ!
誰やねんと思った人もいるだろう。
彼は現在韓国で行われているU-18W杯にて、侍ジャパンの4番を打っている同世代の中のNo.1バッターの1人である。
石川くんの活躍は異常なほどだ。
まず初戦のスペイン戦で8回に値千金の同点タイムリーを放つ。
そして昨日の宿敵アメリカ戦では初回に同点タイムリーと3回に勝ち越した直後に無死満塁から2点タイムリーを放つ大活躍。
お分かりだろうか、彼は僅差でのチャンスにめっぽう強いのだ。
つまり、チャンスにくそ弱い中日が最も欲しているタイプのバッターなのである。
このU-18W杯が始まる前から石川くんをドラフト上位に押す声はよくあったし、今でも2位指名で取りに行くべきという声が多数派である。しかも高校は地元も地元の愛知・東邦高校とあっては中日ファンもフロントも欲しくてしょうがない逸材である。
しかしこの活躍っぷりを見ていると阪神やヤクルトなども欲しがるくらいの活躍度であるため、自分としてはこの時点で1位指名で行くべきと表明しておこう。
彼の活躍を見ているだけで来シーズンへの希望の光が大きくなっていく気がしてくる。
さて、先日終戦が近いファンほどドラフトの話で盛り上がるという旨を記事の中で少ししたが、いよいよ中日ファンもその流れに乗ってきてしまっているようだ。