本当の戦いはここからだ

9月10日~9月12日まで行われたマツダスタジアムでの広島vs中日の3連戦。

結果は中日の1勝2敗と3カードぶりのカード負け越しを喫した中日だが、鬼門のマツダスタジアムで今シーズン初勝利を挙げたことを考えればかなり善戦していたと考えてよいと思う。実力もそれなりについてきたということだろうか。

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ただし、3戦ともに勝てるチャンスは意外にも多かった。今までは完膚なきまでコテンパンにされる展開が多かっただけに、それだけ中日の調子が上向いていたということだろう。

少しこの3連戦を振り返ろう。

初戦は初登板からの4連勝を目指した梅津と広島の絶対的エース・大瀬良の投げ合いとなった。

梅津が不用意な2HRで3点を奪われるもマツダでの7回3失点は十分すぎる結果であった。特にストレートの調子がよくない中で2種類のスライダーを投げ分け、大野奨太の冷静なリードもあってなんとかかんとか抑えていた。

それだけに小園に打たれた2ランが本当に悔やまれるが、それは彼の今後の成長を考えれば安すぎるくらいの勉強領である。

それよりもファンとしては1点も取れない打線に落胆することとなった。

もちろん広島守備陣のここぞという場面でのファインプレーも大きかったが、チャンスで凡打やランナー1塁でゲッツーを繰り返す打線のまずさが目に付いてしまった。

3-0で敗れたが、リリーフの使用を最大限控えられたことが大きかった。

 

2戦目は復活を期す小笠原と床田の左腕対決となる。

中日は前日の嫌な流れそのままに初回に加藤のミスからあっさり先制されてしまう。

さらに、序盤からカーブを多投しまくるというリード。案の定3回に2死から鈴木誠也にカーブをレフトフェンスまでもってかれ、その流れで痛恨の2失点目を許した時点でファンはお通夜ムードに。

しかし与田監督の4回で小笠原を見捨てるという英断に答えるように打線が5回で追いつき、残りのイニングをリリーフ勝負に持ち込む。

現在の中日には他球団ならリリーフエースを任せられるくらい力のあるリリーフがごろごろいる。彼らはその実力にたがわぬ活躍をし、ピンチでも冷静に切り抜け、9回まで0でつなぐ。

そして勝負はあっけなく終わる。10回表に調子に乗った広島バッテリーのすきを見逃さなかった京田の一振りで勝負あり。皮肉にも打ったのはカーブ。値千金の決勝ホームランとなった。

2-3というスコア以上につかれた試合となったが、鬼門マツダスタジアムでの今シーズン初勝利を挙げた。

 

3戦目は登録即先発となった阿知羅と野村の先発。

この日も長野のホームランを浴びた阿知羅を4回で見切り、リリーフ勝負に出た与田監督。そして2点ビハインドの8回に代打の直倫が同点タイムリーを放つという采配もズバリ的中する。

そして自慢のリリーフ陣が又吉が1点を失った以外は8回まで冷静に同点のままでつなぎ、9回へ突入する。

勝負の明暗が分かれたのは9回の1死1,2塁という状況だった。

お互いにヒット→バント→申告敬遠という流れは一緒。

中日は絶対的4番のビシエド、広島は途中出場の堂林。

ビシエドフランスアの直球に力んだのか、やや強引に打球を飛ばし併殺網にかかって0点に終わる。

一方堂林は藤嶋の直球に空振った後に一度落ち着き、直後の高めのスプリットをはじき返しレフト福田の真横を抜けるサヨナラタイムリを放つ。

3戦とも本当にあと一歩だった。

だがその「一歩」を埋めるのにはかなりの時間がかかるかもしれないと思わされた試合内容でもあった。

特にリリーフ陣を総動員して1勝1敗に終わったという代償は大きく、今日明日の柳・大野雄大には最低でも7回は投げてもらわないといけない状況になってしまった。

しかしまだまだ希望の光は潰えていない。

前述したルーキーの梅津始め、代打であと少しでスリーランという打球をかっ飛ばした石垣、悩める京田の秘めた長打力、加藤の試合通しての成長とポジれる要素はたくさんある。

何より今シーズンのオフには井端コーチがやってきて、勝ち方・野球への考え方を根本から教えてくれるに違いない。

今シーズンも残り10試合強。ここの10試合を全力で戦うことがまずは大事だ。

結果はどうあれ、選手が「やり切った、でも悔しい結果に終わった」と思えるようなシーズン終了を迎えられれば来シーズンは明るい。

本当の戦いはここからなのである。