復活の狼煙
2019年9月14日
この文字列を書くことになるとは昨日の時点で全く予想していなかった、というか予想できていたのはCBCテレビの中日に関するノーヒットノーランの記事を書いた人ぐらいじゃないだろうか。
前回中日の投手によるノーヒットノーランが達成されたのは2013年6月28日に山井大介が達成して以来、ナゴヤドームでは2007年11月1日に山井-岩瀬の継投での完全試合以来の快挙となった。
実はこの大野雄大のノーヒットノーラン達成で、中日は平成以降のこの快挙達成者が6人となったということで12球団ダントツトップの人数であるらしい。(その6人とは、野口茂樹、バンチ、川上憲伸、山本昌、山井大介、大野雄大である。)
意外にも山本昌と大野雄大以外はナゴド以外の球場で達成しており、一概に投手有利なナゴドだからというわけでもないから不思議である。
その山本昌も大野雄大と同じく、9月の土曜日の阪神戦での達成、しかも最後はセンターを守るバッターがサードに強い打球を飛ばしてのゲームセットというわけだから何かの縁ではないか勘繰りたくなる。
そしてこの大野雄大のノーヒットノーランはただの1勝、ただの完封勝利ではない。
中日投手陣の、ひいては中日ドラゴンズの逆襲への貴重な1勝となったことに間違いはない。
去年までは完投できる日本人投手がほぼ皆無だった。もちろん大野が朝倉コーチとの確執等で十分な活躍ができていなかったこともあるが、それ以前に先発投手陣のスタミナ不足・根本的な力不足は明らかだった。
去年・一昨年とリリーフが打たれての逆転負けが多く、リリーフ陣に批判が集まることも多かった。それも先発陣が早め早めに降りることが多く必然的にリリーフへの負担が重くなってしまっていたことと、それを見越した投手運用ができなかった投手コーチの技量不足というところが問題の根底には眠っていた。
それが今年になると柳・大野という左右のエースはもちろん、ロメロがほぼシーズン通して頑張り、笠原・山井が限られた登板でもイニングを投げ、清水・阿知羅・勝野といった選手が中盤の苦しいころでローテに入り、後半には小笠原・山本・梅津という未来を担える若手がいい登板を繰り返している。
もちろん先発だけでなくリリーフ陣も勝ちパターンに限らず優秀な選手たちがそろっていることは先日の広島戦で証明済みだ。
これだけの先発陣が揃っていることでリリーフ陣への疲労が必然的に緩和され、リリーフ陣の怪我人の離脱者がいないというのは来シーズン以降へつながる内容である。
あとは選手が勝ちへのこだわりを持ち、負け癖から脱却することさえできれば落合政権以来の優勝争いに毎年食い込めるチームが完成するはずだ。
残り11試合、ファンは来シーズンのことを考えながら見るかもしれないが、選手たちには1つでも勝利を、1つでも上の順位を目指して頑張ってほしい。