竜の魂

昨日・一昨日の連敗で中日ドラゴンズのCS進出は完全に消滅した。

まだシーズンが完全に終わったわけではないので、選手・首脳陣への労いの言葉は書けないが、「よく戦ってくれた、お疲れ様」というのが大多数の中日ファンの率直な気持ちだろう。

土曜日までは「広島戦に2連勝できる!」「今年こそは大逆転でCSだ!!」という考えもあっただけにかなり悔しい敗戦となってしまった。今はどの中日ファンも心の中が空っぽになってしまっているだろう。

だが、よくよく考えてみるとここまでCSの可能性が消えたことに落胆し、どんよりとした気持ちにさせられたシーズンは2014年以降は初めてなのではないだろうか。

思えば去年までは、シーズン終盤のどこかで知らず知らずに没落していき、CSに行ける云々の前にシーズン終了的な雰囲気が漂っていたことがほとんどだったから、CS消滅の負けに対してここまでの悔しさがにじむ試合はあまり記憶していない。

そう思うと今年は昨日の負けで少し意気消沈したところがあったにせよ、今日の試合が終わるその瞬間まではCSを信じることができていたというだけでも大きな成果であり、たとえ順位が去年や一昨年と変わらなかったとしても中身には大きな違いが出ていたと言っても過言ではない。ここに関しては来年以降に如実に成果が表れるだろうからとても楽しみにしたいと思う。

思えば、黄金期と呼ばれた落合政権時代にも3年連続優勝を逃し、しかも宿敵巨人に3連覇を許すという時期があった。(2007年~2009年、2007年はCSで勝ち抜き、結果日本一にもなったけどね)

ただその時にはそれから選手・監督が一層奮起して、2010年・2011年の劇的な2連覇を達成した。川上や福留、ウッズという主力が毎年のように抜けながらもFA戦士和田の奮起や吉見・浅尾の急成長に支えられてこの連覇を成し遂げた。悔しさをとことん味わった後に歓喜の瞬間が来るのは一種のドラゴンズ特有のチーム体質なのかもしれない。

今年は周平・柳の覚醒、大野雄大の復活、加藤や阿部といったニューフェースの活躍、投手陣の再建成功、若い先発陣の台頭、直倫・福田のベテラン勢の奮起等々来年に向けてのポジティブ要素に包まれた1年だった。この流れを来年につなげるためにも残り4試合、休むべき人は休ませながらも戦う姿勢は見せ続けてほしい。

ちなみにタイトルの「竜の魂」というのはファイナルファンタジーに出てくるアビリティの1つで、物理攻撃を受けるとリレイズ(自動復活)するというものらしい。(FFやったことないのでわかんないんです…)今も昔も中日にぴったりだね!

 

 

 

 

 

 

 

悔しさの先に

昨日のヤクルトvs中日の神宮でラストゲーム館山と畠山の引退試合ということを忘れるくらい中日が打ちまくった試合となった。木下・周平・大島・阿部によるホームランの共演神宮球場ならではと言ったところか。2桁得点となったのは、8月25日のナゴヤドーム以来、約1か月ぶりの出来事だった。

この間、中日は投手陣に助けてもらう試合が多かったので、気楽な試合展開にして先発の柳含め、投手陣につかの間の休息を与えることができたのはいい恩返しになっただろう。

この中日がヤクルトファンの心をへし折るくらい打っていた裏で、ハマスタでは巨人の優勝が決定し、原監督が8度宙に舞っていた。

今シーズン、中日は与田新監督のもと本当によく戦っていた。

打線は安定し、守備は12球団No.1になり、先発陣が長い回を投げられるようになり、リリーフ陣は恐ろしいメンバーが揃い、新戦力も現有戦力もよく力を発揮していた。

しかし、それでも優勝には遥かに及ばなかった。

自分は1人の中日ファンとして8年連続のV逸が悔しくてたまらないし、宿敵ジャイアンツが優勝してしまったのも余計に気に食わない。おかげで大勝している試合を見ながらもどこか満足いかなかったし、心から大勝を喜べなかった。こう思ってしまったファンも少なくないはずだ。

選手たちは今必死にCSという目標に向かってやるべきことを1つずつこなしている。1試合1試合を大事に戦っている。選手には今シーズンが終わるまでしっかりやり切ってほしい。

ただ、CSに進出しようがしまいが今シーズンが終わったら

「優勝に全く届かなかった」

という事実をかみしめて、この悔しさをしっかりと味わってほしいと思っている。

2014年~2018年の中日は正直言ってこの「悔しさ」の気持ちが足りない印象であった。もちろん昨シーズンまでも所謂意識高い系の荒木・吉見といったメンバーが常日頃からチームに発奮を促してはいたが、なかなか目に見えて現れてこなかった。

それが今年はかなり違う。

京田が千葉で大逆転負けを喫した後にベンチに蹴りを入れグラブを投げつけたことは有名だが、それ以外にも選手の気持ちの入り方が去年までとはあからさまに違う。そして何より、前述の千葉の件の翌日の京田然り、挽回してやろうという気持ちのこもったプレーが格段に増えた。何も考えずに神宮や東京ドームで連日連夜の逆転負けを繰り返していたあの頃のチームとは違う。

選手たちは口にはしていないが、巨人の優勝に対してとても悔しいはずだ。

この悔しさはCSに進出して勝ち進んで直接巨人に勝って日本シリーズに行くという形で晴らせれば最高だが、そうは問屋が卸さないだろう。広島や阪神DeNAにも圧倒的アウェーの敵地で勝たなければいけないというのはハードルが高い。

仮に上記の形ですぐに借りを返せなくても、シーズンオフやキャンプ中に選手全員が悔しさを忘れずに練習に励めば、倍返しでジャイアンツに悔しさと屈辱を味わすことはそう遠くないはずだ。

来年こそはナゴヤドームで与田監督が宙に舞う姿を見せてほしい。

みんな違ってみんないい

シーズン前半の中日ファンに「最後には巨人戦6連勝して終わるから」と告げたら99.9%の人は「嘘言うな」「寝言は寝て言え」と言われることだろう。事実、自分もそういう言葉を言うであろう人の1人だ。

シーズン中盤まで面白いように巨人相手に勝てなかった。3連敗こそ東京ドームでの1回のみだが、カード勝ち越しは0回、初戦をとっても2,3戦目には力の差をまざまざと見せつけられる試合が続いた。

風向きが変わったのは、8月8日の菅野vs柳の試合で3点ビハインドから追いつき、引き分けに終わった試合だろう。

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このブログにあるように勝てそうで勝てない実に惜しい引き分けだったが、この試合ではリリーフ陣が非常に素晴らしい投球を見せた。なんと7回~12回までの6イニングをノーヒットリレーでつないで見せたのだ。この試合で与田監督はリリーフ陣に信頼をかなりおけると確信したのだろう。逆に原監督はリードされたら勝てないという思いを抱いただろう。(それだけに一昨日の阿部vs大竹での内野の守備位置は意味不明だった)

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そしてこの8月8日以降の巨人戦では6勝2敗、リードしたら負けないという無類のリリーフ陣の強さを見せつけた。

今日はこのリリーフ陣に焦点を当てていこうと思う。

主なリリーフ陣は勝ちパターンの藤嶋・ロドリゲス・岡田と、何でも屋の福・マルティネス、ロングリリーフのできる又吉・三ツ間、ビハインドの祖父江という8人。この8人がほぼ全員タイプが違うし、役割もある程度決まってきつつあるというのがこの8月後半からの好調さの要因だろう。

まず頼れる助っ人外国人2人。

彼らは正直言ってNPBのレベルにふさわしくないほどの実力を持っている。リアル怪物くん。多少の好不調なんざ気にならんほどの球威のあるストレートとチェンジアップ&スライダーのキレがあり、今年のプレミア12と来年の東京五輪で敵にならないことと来年も中日に残留してくれることを願うばかりだ。

 

次は福&岡田の左腕コンビ。

彼らの素晴らしさはコントロールの良さと度胸の良さにつきる。投げるボールの速さはロッド&マルに比べれば数段落ちるが、それを補えるくらいの度胸の持ち主である。誰が相手でも逃げずにストライクゾーンにバンバン投げ込む。この気持ちの強さは近年まれにみる投手力であり、来年以降も期待できるだろう。

 

藤嶋は昨オフには先発として期待されたものの血行障害というある種の「中日病」で中継ぎに再転向を余儀なくされる。それでも昨シーズン通りの投げっぷりの良さと上原譲りのストレートのキレとタイミングの取りにくさに加えて今年はスライダーを一段と進化させ、途中まで防御率0.00を誇っていた。指の調子が万全になり、あと1球種身に付ければ先発再々転向だって夢じゃない。

 

祖父江はなんだかんだ打たれながらもチームが欲するタイプの投手であることに疑いはない。2種類のスライダーとストレートとツーシームという極めてオーソドックスなタイプの右腕ながら、眼光の鋭さとテンポの良さで左右関係なく仕事を果たす。「ビハインドの」と形容したが、先の広島戦ではセーブも上げており、まさに「必殺仕事人」である。前半戦に調子のよかった谷元や田島もこの役割ができるようになれば来年は鬼に金棒だろう。

 

最後は又吉&三ツ間のサイドスローコンビ。

ある程度先発を早めに下せるのもこの2人が安定しているからであり、何度か手痛い失点を経験したものの、酷使しなければ2,3イニングは任せられる存在であり、強いチームには必要不可欠な存在である。又吉はサイドスローとは思えないほどのストレートの速さとキレ、三ツ間はサイドスロー特有の沈むストレートを武器にしており、どちらももう1球種キレと精度を高められれば藤嶋や岡田に並ぶ存在になれる逸材である。

 

彼ら以外にも2軍には鈴木博志、谷元、田島、佐藤優という実績のあるメンバーが控えているという他チームからすれば恐ろしいぐらいのリリーフの陣容なのである。しかもほぼ全員が違うタイプでそれぞれの持ち味を生かしているという無双っぷりである。まさに「みんな違ってみんな良い」どころか「みんな違ってみんな最高」状態、金子みすゞもびっくりである。

言うまでもなく、ここで挙げた12人がここまで昨シーズン以上の実力を発揮できているのは、序盤戦からリリーフを大事に使った阿波野&赤堀投手コーチと与田監督のおかげである。ほかのチームが酷使でリリーフをヒイヒイ言わせてファンからのバッシングを食らってるのを鼻で笑えるレベルの神がかった投手運用である。

明日からのアウェー3連戦、少々どころかかなり苦しくなってくるだろうがまだまだリリーフ陣には頑張ってもらわなければいけない。

そしてこの頑張ってるリリーフ陣のためにもより一層の打線の奮起を促したいところである。セリーグは中日から目が離せない。

勝利へのこだわり

昨日の中日の先発はドラフト2位ルーキーの梅津。このブログでもたびたび取り上げていた未来の竜のエース候補生だ。

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その梅津はほぼ完璧な立ち上がりを見せる。

亀井・田中の1,2番を連続三振に切ってとり、丸にヒットを浴びたものの岡本をキレのあるスライダーで打ち取る。

対して巨人の先発の先発もドラフト1位ルーキーの高橋。

こちらは先頭の平田にあわやスリーベースという一撃を浴びるが、疑惑のリクエスでファールにしてもらうい事なきを得る。それでもその後もばらつきがあり、落ち着かない印象で何とか3人で抑える。

初回だけを見ればこれまでの両者のデータ通り、「巨人キラー梅津」と「中日のカモ高橋」となった。

しかしここから両者の立場は一変する。

梅津は下位打線相手となった2回,4回に苦戦する。巨人打線の狙いが完璧に的中していたは明確だった。

「追い込まれるまではとりに来るストレート」、「追い込まれたらキレのあるスライダーに対応しストレートはカットか逆方向」という2つの原監督の思惑にキャッチャーの大野奨太ともどもまんまと引っ掛かり、大量に球数を費やしスタミナを消耗していった。

そして5回に追い込んでからの死球でランナーを出し、1,2打席には抑えていた田中に甘い初球のストレートを打たれ先制タイムリを浴びる。そのまま丸・岡本にも制球が定まらず2死満塁で阿部を迎えたところであえなく交代となり、初めて5回持たずに降板となってしまった。

しかしここで出てきたのは中日リリーフ陣でも抜群のコントロールの持ち主福。これを阿部も知っていたのか、初球に狙いを定めやや甘めのスライダーをたたくもライトフライ。何とか最少失点で切り抜ける。

対して巨人の高橋は適度に荒れるストレートを見せ球に使いつつ、やみくもにストレート狙いをしてくる中日打線をほぼ完璧に抑え込む。いい当たりをしていたのは京田くらいで、それ以外は平田のサード前ボテボテのゴロがきわどいエラーとなった以外にヒットの予感は全くなかった。

結果6回まで中日はノーヒットに抑え込まれ、実況の若狭アナが無駄に「ノーヒットノーラン」という言葉を言い続けるというフラグ戦法をとるのがやっとだった。

勝負の分かれ目は7回だった。

7回に中日は実質勝ちパターンの1人、Rマルティネスを送り出す。この采配、与田監督の勝利への執念を見た気がした。何としてでも1点差のままで食らいつく。そんな監督の気持ちにこたえるかのようにマルティネスはわずか14球で三者連続三振に巨人打線を料理する。

それに対して7回裏、ここまで87球の高橋をそのままマウンドに送った原監督。ルーキーのノーノ―を見たいという巨人ファンの思いにこたえたわけだが、先頭の福田にあっさりレフト前ヒットを許す。 

ここで福田は今まで中日が振っていたきわどい低めの変化球をあっさり見逃し、タイミングは少しずれたものの綺麗にとらえてレフト前に運んだ。この時点で高橋の球威・キレはかなり落ちており、即交代かと思われた。

原監督はここでも続投を選択、勝負を度外視しルーキーの踏ん張りに賭けたのだろう。しかしそれをあざ笑うかのようなビシエドのライト前ポテンヒットで無死1,2塁となり、一挙に同点・逆転のピンチになってしまった。今までならファーストフライだったであろう打球がライト前に落ちたのは滑稽でもあった。

与田監督はここで5番の周平にバントを指示。勝利に徹する姿勢を見せつける。それに答えた周平がバントをしっかり決めて1死2,3塁とビッグチャンスをつかむ。

ここで原監督がようやく投手交代し、大竹にスイッチする。

大竹というのは右バッターのインサイドへのシュートが決め球であり、外野フライも許されず内野ゴロに抑えたい場面では絶好の投手ともいえた。

だが、ここで驚愕の光景がナゴヤドームに広がる。

何と巨人の内野は前進守備ではなく、普通の守備シフトをとる。やや1,3塁のみ前な気もするが二遊間は完全に後ろに守備位置をとる。

内野ゴロを打たせるための大竹を出してなぜ内野を下げるのか意味不明といったところであり、本当に原監督かと目を疑うような采配であった。

かくして気持ちも楽になった阿部は巨人の采配ミスをあざ笑うかのようにシュートを完璧に引っ掛けてショートゴロを放ち、労せずして同点に追いつく。

まだまだ原監督の不可思議采配は終わらない。

2死2塁でバッターは大島で、その次はおそらく代打の直倫・藤井・石垣の誰かで、その次は加藤。1本のヒットで勝ち越しを許す場面なので当然打率が低い打者、つまり打率3割を超える大島以外との勝負をするのが鉄則のはずだが、なぜか大竹を降ろし、左の田口を投入。大島との勝負を選択する。

そして案の定、大島に打たれ結果は巨人にとって最悪のツーランホームラン。勝負へのこだわりよりも自身の勘を信じたしっぺ返しが来たとも言うべき結果だろう。

勝ち越した後の8,9回はロドリゲス&岡田という盤石のリレーが巨人打線に立ちはだかり、ゲームセット。中日はこれで対巨人5連勝を記録することになった。

たとえ負けていても1点差なら何があるかわからないと信じ、盤石のリリーフに任せ、勝利へのこだわりを捨てなかった与田監督と、ルーキーを続投させ、内野に前進守備を命じず勝利を度外視した采配を振るった原監督こちらの嫌がることをしてこない巨人というのは、中日からすれば負けそうでも勝てる相手になりつつあるのかもしれない。

今日の中日vs巨人の今シーズン最終戦から目が離せない。

模擬国連⑦

さて、今回は春の一日体験会議(通称春一)の準備から話を始めます。

以下のリンクから前回までの内容を見てください。

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本格的に春一の準備に取り掛かっていくわけですが、春一には通常の会議と違って台本を作るという大きなフロント(会議作成者側の人たち)の仕事があります。この台本作成が会議の成功の鍵を握るので、会議の方針が決まり次第作成に移りました。

しかし、このフロントの3人は自分含めて全員が模擬国連1年未満であり、かつそこまで1年生の時に積極的に模擬国連に参加していたわけでもないという経験の浅い人たちであったため、議論がどのように進んでいくのかの具体的な想像があまり上手くできませんでした。それでも任された仕事を放棄するわけにもいかないし、他の人たちは新歓用の別の準備で忙しいしということで、何とかディレクを中心に台本作成を進めていきます。

実はこのタイミングで運営や春一を揺るがす大事件が起こっていたのですが、その件については春一についての話が終わる模擬国連⑩で述べたいと思います。少々お待ちください。

そしてようやく台本の作成が終わったのが、会議本番の約1か月前というかなりのぎりぎりのタイミングでした。台本作成が終わったので一息できるかというとそういうわけでもなく、早くリハーサルをして穴がないように修正して完璧に仕上げなければいけませんでした。

そのため、リハーサルの日程調整をラインに投げたところ、驚きの出席率の低さ…!心の中で「いやいやみんなこの前のやる気はどうした?新歓の会議一発目にこんなやる気の低さでいいんか?」とか思ってしまうほどでした。ともかく人数は少ないながらもリハを強行することにしました。

そしてリハ当日、本来なら20人超の人がいるはずなのに出席者は10人ほどと少し寂しくなるような中で進めました。

案の定、初心者3人で作った台本は穴だらけ。デリの人たちから「ああした方がいい」「こうするべきだ」という意見を多数もらい、台本を調整することになりました。この直前に起こっていた大事件のこともあり、何かと頭を抱えることが多くなっていってしまいました。

元はと言えば会議を全然知らない自分たちや研究統括である自分が悪いのですが、精一杯作った台本にここまで色々言われるとさすがにイラっとも来るし、憂鬱にもなります。それにただでさえなれない作業で手一杯なのに、「もっと見やすくしてくれ」とか「ここわかりづらいから直してくれ」とか、「それ俺らに頼むことか?」というような要望も多くて、正直言って辟易してました。

とにもかくにも2週間かけて台本の修正を終えた後で、2度目のリハに挑みました。まあこの2度目のリハも出席率はお世辞にも高いとは言えない状況でしたが、やらないわけにはいかないので何とかこなしました。ただし、参加者が少ないので当初想定していたような練習ができず、満足に確認ができたとはいい難い状況でした。

そうこうしてるうちに、いよいよ3月31日になってしまいます。

明日4月1日からは大学全体での新歓が始まりますし、明後日の4月2日には最初の模擬国連についての説明会も行われるということで全員大忙しです。自分たちも春一に向けての最終調整だけでなく、新歓関連で大忙しとなります。

こんなくそ忙しい時期についての話から次回は始めたいと思います。

中日の四銃士

与田監督が2019年から指揮を執ることになり、伊東ヘッドコーチ・中村バッテリーコーチ等々の就任も決まってから早くも1年が経とうとしている。

2012年~2018年までの焼け野原に等しいチーム状況を考えれば「ようやっとる」以外の言葉がないくらい2019年の中日ドラゴンズは5位という位置にいながらも健闘している。それは昨日の勝利で9試合を残しながらも昨年の勝利数を超えたことからもわかるだろうし、自力CSの可能性が残っていることからも言えるだろう。

さて今シーズン始まる前に前述した2人のコーチから出た言葉は以下の通りだった。

「勝てる捕手を探す」

この言葉だけでいかに昨年までのチーム状態が酷かったかがわかるだろう。2002年~2013年の谷繁以来、中日には「扇の要」が定まってなかった。扇の中心が定まってない扇子がもろいように、中日もかなり弱くなっていた。

そして捕手探しの旅が始まって約1年、現在の中日は4人の捕手が1軍に帯同している。石橋・大野・加藤・木下の4人である。ただその4人の中で昨年から1軍にある程度いたのは大野奨太だけである。つまり残りの3人は実質前述した目標に沿って新たに集められたのである。

この4人の捕手について今日は軽く述べていこう。

まずは加藤匠馬。

彼こそがまさに勝てる捕手探しによって「発掘された」人材だろう。昨シーズンまでの試合出場はわずか5試合。ほぼ埋もれかけていた加藤が注目されたきっかけはその肩の強さだった。単純な自肩ならソフトバンクの甲斐をも凌ぐと言われた強肩はオフシーズンからファンをにぎわせ、「加藤バズーカ」なる言葉を生み出し、開幕スタメンにも抜擢された。

一方、彼は肩以外の捕手に必要な要素がほぼなかった。配球は伊東ヘッドからの指示、捕球はお粗末、打撃は力不足というなかなかな状況であった。それもあって7月7日に1軍登録を抹消されてしまう。

しかし、8月4日に再昇格すると、その後はリード・守備・打撃で成長した姿を披露し、来年以降への期待もまた一段と高まった。

 

次は大野奨太

2017年オフに中日にFAでやってくるも、2018年は肘の状態の悪化等もあり、満足にいかないシーズンを過ごした。そのため今シーズンは再起を図る年になった。

日ハム時代に「栄光をつかんだ男」であり、WBCへの出場歴もあるという、一番「勝てる捕手」に近い存在でファンからの期待も大きかったが、今シーズンも序盤はなかなか出場を果たせず、1軍登録抹消という悔しい経験を再びしてしまう。

しかし8月25日に再昇格を果たすとここからは流石の経験で投手を引っ張り、課題の打撃も少し上向きに。「勝っていた捕手」としての貫禄を見せつけつつある。

 

次は木下拓哉

彼は昨年まで、中日の捕手らしくない長打力を売りにちょこちょこ試合に出るも、なぜか知られずに抹消ということが多かった。

それが今年は開幕1軍入りも果たし、加藤が一度2軍行きを命じられてからほぼレギュラーとして扱われるというかなりのステップアップ。

しかし魅力である長打力よりもリードや守備面での不安が露呈し、あえなく2度目の1軍登録抹消となってしまった。

それでも先日再び1軍登録されると昨日の山本の快投を引き出し、期待のバッティングでも4打数2安打2打点と結果をいきなりだし、正捕手争いに加わることになった。

 

最後は石𣘺康太。

彼は何といっても去年のドラフト4位で指名されたばかりのルーキーである。個人的には3位じゃないと取れないと思っていただけにかなりお得感ある4位であった。 

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そしてその予感通り、シーズン開幕直後から2軍でルーキーとは思えない実力を発揮する。

加藤に匹敵する強肩、高校生離れしたキャッチングとリード、ナゴヤ球場でのホームランと今年から2軍戦をネットで見られるようになったことを最大限利用するかのような活躍っぷりを見せつける。

そして加藤と入れ替わりで待望の1軍昇格を果たすと初打席で死球を勝ち取るという運の良さ。その2日後に初先発マスクを果たすと、第3打席に貴重な2点タイムリスリーベースを放つという「何か持っている男」としてファンに強烈な印象を与えた。

その後は抹消されたり、なかなか出場機会がなかったり、結果が残せなかったりとプロの壁にぶつかっている様子だが、伊東ヘッド&中村バッテリーコーチの英才指導を1年目から受けられるという特権を活かして来年には急成長するかもしれない。

 

さて、この4人の捕手による正捕手争い。「フェアな争いこそがチーム力向上には不可欠だ」という趣旨の言葉をサッカーの元日本代表監督・オシム氏は残していたが、まさにこの中日キャッチャー陣の争いを表しているようだ。物心ついた時からファンをやっている自分ですら明日のスタメンが読めないというくらいの激戦であるが、それこそが「勝てる捕手」を育てる1番の方法なのかもしれない。

君の名は vol.2

大野雄大ノーヒットノーランから約25時間後、大野雄大の前に中日でノーヒットノーランを達成した山井大介が今日の先発のマウンドに上がった。

全国の中日ファンは前日から大野雄大のあの快投が忘れられず、どこのスポーツニュースでもこの快挙について扱っていたことで近年で一番幸せな時間を過ごしていただろう。

普段は何かの圧力で全然スポーツニュースで扱ってもらえないという鬱憤を晴らしてくれた大野雄大に感謝した人も少なくはないはずだ。朝から東京中日スポーツ新聞はほぼ完売状態だったと聞く。MGC愛知出身の鈴木亜由子東京五輪内定を勝ち取ったことで名古屋の中日ファンはより一層幸せな気分で今日の試合開始を迎えていたはずだ。

さてそんな幸せいっぱい、今年こそCSに出られるという希望の光を見ていた中日ファンを現実世界に強引に引き戻したのは先発・山井大介だった。

開始しておそらく90秒ぐらいで前日からのノーヒット状態をぶち壊したかと思えば、その30秒後にはあっさり先制されるという大惨事…

何とか初回は0点で切り抜け、野手陣に「おんぶにだっこ」の状態で3回終了時には2-1と逆転をしてもらう。

しかしその後も山井の乱調は収まらない。勝ち越し点を味方がノーヒットで精一杯奪ったかと思えば、その直後に宮崎に一振りで同点を許してしまう。それだけにとどまらず桑原に二塁打を打たれ、2死2塁とされると与田監督もたまらず投手交代を告げる。

前日、大野雄大が必死に1人で投げぬいた中継ぎ陣の貯金を3回1/3で降板してあっさり使い果たしてしまう41歳の山井に容赦なく「引退しろ」の声が降り注いだ。

その後のリリーフ陣も広島との3連戦で大奮闘した反動からかいまいち調子がよくない。三ツ間は2死からロペスに勝ち越しツーランを浴び、この前まで連続無失点だった藤嶋があっさり2失点してしまう。又吉&祖父江と石橋のバッテリーが見事に0点で抑えたのだけがポジ要素だろう。昨日までのお祭りムードが一斉にお通夜ムードになってしまった。まあ今日の山井が3回1/3で降りた時点でリリーフ陣に罪は全くない。

問題はその山井で、かつてはノーヒットノーランをやってのけたくらいDeNA戦に強かったはずなのである。今年も序盤はDeNA相手に2連勝していたし、DeNAキラーの相性は継続中かと思われていた。だが7月20日ハマスタで負けが付いてしまうと今日も乱調してしまい、DeNAキラーというのが眉唾物に聞こえてしまう。

先日の福留よろしく山井に対しても「君の名は」と問いたくなってしまう。

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もう山井がDeNA相手にも通用しないという疑惑が出た以上、引退させるべきとの声も少なくない。現に41歳だし、小笠原・山本・梅津という若い先発が少しだけ出てきていることを考えるとそう思う人がいても何ら不思議ではない。

ただし、今年の山井が今日含めて13試合に先発し、65イニングを投げているという事実を忘れてはならない。今年で言えば大野・柳・ロメロに次いでイニングを食ってくれている41歳にしては優秀な先発投手なのである。

もちろん、来シーズンは前述した若手3本柱が大野・柳に続いてくれるかもしれない。笠原だって不整脈から完全復活してくれるかもしれない。それでも怪我や不調の心配がある限り先発投手は何枚いてもいい存在であり、投げればだいたい5回3失点くらいで試合を作ってくれる山井という存在は貴重なのである。

なにせ41歳というのは山本昌ノーヒットノーランを達成した歳であり、イチローが投手としてメジャーのマウンドに立った歳でもあるのだ。山井もこれから何があるかわからない。シーズン途中から所謂「スラッター」にも挑戦しているなど向上心は持っている。まだまだ引退するには惜しい人材である。

復活の狼煙

2019年9月14日

中日の大野雄大が史上81人目のノーヒットノーランを達成!

この文字列を書くことになるとは昨日の時点で全く予想していなかった、というか予想できていたのはCBCテレビの中日に関するノーヒットノーランの記事を書いた人ぐらいじゃないだろうか。

前回中日の投手によるノーヒットノーランが達成されたのは2013年6月28日に山井大介が達成して以来、ナゴヤドームでは2007年11月1日に山井-岩瀬の継投での完全試合以来の快挙となった。

実はこの大野雄大ノーヒットノーラン達成で、中日は平成以降のこの快挙達成者が6人となったということで12球団ダントツトップの人数であるらしい。(その6人とは、野口茂樹、バンチ、川上憲伸山本昌山井大介大野雄大である。)

意外にも山本昌大野雄大以外はナゴド以外の球場で達成しており、一概に投手有利なナゴドだからというわけでもないから不思議である。

その山本昌大野雄大と同じく、9月の土曜日の阪神での達成、しかも最後はセンターを守るバッターがサードに強い打球を飛ばしてのゲームセットというわけだから何かの縁ではないか勘繰りたくなる。

そしてこの大野雄大ノーヒットノーランはただの1勝、ただの完封勝利ではない。

中日投手陣の、ひいては中日ドラゴンズの逆襲への貴重な1勝となったことに間違いはない。

去年までは完投できる日本人投手がほぼ皆無だった。もちろん大野が朝倉コーチとの確執等で十分な活躍ができていなかったこともあるが、それ以前に先発投手陣のスタミナ不足・根本的な力不足は明らかだった。

去年・一昨年とリリーフが打たれての逆転負けが多く、リリーフ陣に批判が集まることも多かった。それも先発陣が早め早めに降りることが多く必然的にリリーフへの負担が重くなってしまっていたことと、それを見越した投手運用ができなかった投手コーチの技量不足というところが問題の根底には眠っていた。

それが今年になると柳・大野という左右のエースはもちろん、ロメロがほぼシーズン通して頑張り、笠原・山井が限られた登板でもイニングを投げ、清水・阿知羅・勝野といった選手が中盤の苦しいころでローテに入り、後半には小笠原・山本・梅津という未来を担える若手がいい登板を繰り返している。

もちろん先発だけでなくリリーフ陣も勝ちパターンに限らず優秀な選手たちがそろっていることは先日の広島戦で証明済みだ。

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これだけの先発陣が揃っていることでリリーフ陣への疲労が必然的に緩和され、リリーフ陣の怪我人の離脱がいないというのは来シーズン以降へつながる内容である。

あとは選手が勝ちへのこだわりを持ち、負け癖から脱却することさえできれば落合政権以来の優勝争いに毎年食い込めるチームが完成するはずだ。

残り11試合、ファンは来シーズンのことを考えながら見るかもしれないが、選手たちには1つでも勝利を、1つでも上の順位を目指して頑張ってほしい。